漫画の制作態度メモ


先日、デジタル同人誌の制作に関して、ダイジェストを作ることなどの記事を書きましたが、もっと根本的に考えるべきことがあるように思いました。
まあ、受け売りなんですが、「読者に伝えたいこと」を、表現技術によって間違いなく分かりやすく届けることが、プロを目指すためには必要でしょう。
「伝えたいこと」の前に、まず作者としては「これ面白いなぁ」という単純な思いつきから創作を始めるものですが、その内容を詳しく分析して、読者に伝わるように変換をする(この段階で当初の「これ面白いなぁ」という単純な気持ちが大体消失します)、この一連の作業が必要です。

文学の世界では、人間たちの心情や関係などを克明に描写することで文学が成立します。心ある読者なら、そこに描写された内容を読み、自分のことのように感じて共感するでしょう。「文学趣味」的な漫画も散見されますが、まあ特に現代でそういうのはニッチな部類に入ると言えます。

どうも私の場合は、成年向けの作品も描いていることもあって、「この女の子いいよね」といった「萌え」「エロい」という単純な気持ちを作品に乗せることがよくあります。自分と同じ趣味を持つ読者ならばそれでも受け入れてくれますが、多くの読者を獲得するためには心許ないといえます。
「ひとしずく」「さんぱち」は一般向け百合漫画で、「この女の子たちの関係はいいよね」という気持ちを持っており、その気持ちを読者にも伝えようとしています。ただの「いいよね」という気持ちを、もうちょっと解剖して、よりクリアに分かりやすい形にすればもっと人気が出るかもと思いますが、毎週発表する作品なので無理なく取り組めるように考えており、発表ペースを変えるのなら作品の内容も変える必要があるだろうと思います。

今のところ、連載をしている現在の作品をそのまま継続していきますが、「読者に伝えたいこと」を一層明らかにし、つまりまず自分の「この話いいよね」という曖昧な感情をもうちょっと鮮明にしていければと思います。

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